自分の首に値札をぶら下げるような、生き方はやめろ! 「狼たちへ伝言」落合信彦を紹介!

"柵の外のブタは死ぬ。死にたくなかったら、血ヘドを吐いて狼になるしかない"

「狼たちへの伝言」著・落合信彦を紹介します。

 

この本は、一言で言うと、「魂を揺さぶられる本」です。

ぼくが、NYに留学していた時に、宿泊したゲストハウス「MoonPalace」のオーナーさんに薦められて読みました。

「狼ってなんだよ。」と、最初は斜に構えてましたが、読んでいくうちに、脳天を撃ちぬかれるような衝撃を受けました。

生きるということは攻めることだ。防御的な人間におもしろいヤツなんていない。

"いまの世の中は、ブタのような人間ばかりがはびこり、万事、金のつまらない価値観ばかりがあふれている。若者は、といえば、その風潮にどっぷり浸かり、たかが数千万円の住宅ローンが、人生最大の冒険、という寂しい生き方に満足しきっている。だが、人生は本当にその程度のものなのか。そうではないだろう。小利口に生きることを捨て、大きなバカとして生きれば、世の中はどんなにおもしろいか。退屈しないか。それだけを伝えたくて、オレなりの人生論を出すことにした"

著者の落合信彦は、1980年代から1990年代に、学生やビジネスマンから絶大な人気を誇った国際ジャーナリストです。貧乏な家庭に生まれ、昼間は働きながら独学で英語を勉強し、奨学金を掴み渡米し、その後オイルビジネスで活躍しました。ちなみに息子は、メディアアーティストの落合陽一です。

自分の首に値札をぶら下げるような、生き方はやめろ!

"大事なのは、本人が必死かどうか、それだけだ。本当言うと、勉強なんてのは質じゃない。どれだけ本人が、その必要性を認識するかどうか、だ。つまり、意識と覚悟の問題なのだ。その意味ではケンカと同じ。負けたらそれで終い。残っていつのはミジメな自分でしかない。それくらいの覚悟でやれば、だれだって英語ぐらい使えるようになるんだ"

英語をどのように勉強すればよいのかに対する解決策としての提言です。アメリカ留学する為に、3日に1ページづつ頭に叩き込むために、食べてしまったというエピソードをふまえ、とにかく、それくらい徹底した覚悟が必要だと説きました。

ぼくは、2013年当時、奨学金を貰ってニューヨークに行きましたが、ニューヨークにいること自体に満足し、無意味無目的に過ごしていました。しかし、これを読んだ事をキッカケに、これじゃダメだ!と思い直し、最先端の美術作品を見よう、とギャラリー巡りを続けました。

"男も女も含めて、大体70%の人間には値段がついている。心も金で帰るのだ。少なくとも7割の人間の心には、出すものを出せばだれにでも手に入る。そういうことを、おれは石油ビジネス時代に学んだ。ただし、問題は金で動かない30%の人間だ。そういう相手には、こちらもかなり本気で対処しなければ望む結果は得られない。"

ぼく自身、完全にお金で簡単に動かされてしまう人間だという認識があります。なぜなら、損得勘定で動きがちだからです。つまり、ぼくには値札がつけられているということです。

その事実を知った時、あ、ぼく、家畜と変わらないじゃん。と戦慄を覚えたのです。それがキッカケで、家畜ではなく、ちゃんとした人間として生きていくにはどうしたらいいのかを考え、とにかく自分の言葉で話をしてみようと思い、日記などを書くことを続けています。

"若さにもいろんな側面がある。女とつきあいたい、遊びたい、そんな欲求がいちばん高いのも、この時期だ。だが、いまいちばん必要とされているのは、若者たちの怒りではないか、とオレは思う。ひどい現実を前にして、なぜ怒らないのか"

志も理想もなく、"金"のことしか考えていない人たちを成功者とみなすこの国、日本。それにも、世の中そんなもんだよねとか言って、冷めてしまっている若者たちへのメッセージです。更に、大切なことは、怒りを持ったら、ただ怒るだけでなく"オレが代わりにやるから"と当事者意識を持って行動に移すことだと言っています。

"落合さん、活字というものは、書くということは、他人の人生を決定する力さえ持っているんです。石油がいかにおもしろい勝負だとしても、活字ほど他人を感動させる力はない。やめるのは、あなたの自由だが、それは活字の力を本当に知ってからでも遅くはないでしょう。"

そして、何よりも、落合信彦、すごい!と思ったのは、活字の力を信頼しているということです。言葉なんかただの言葉じゃないか。そう言ってしまえばお終いなのですが、活字には、うまく説明できないけれど不思議な力があると信じています。

それは、実際に、落合信彦の本に限らずですが、僕自身考え方を変えさせられた経験があり、彼自身もたくさんの本を読んできたという経験があるからこそ分かることなのだと思います。

最後に

"お前は、本当にそんな生き方でいいのか!?"

何回読んでも、胸ぐらを掴まれ問いつめられるような一冊です。


人によっては、内容がよくある自己啓発本に似ているので、飲んだ後数時間しか効果の無いエナジードリンクくらいにしか思わないかもしれません。


しかし、少なくともぼくは、この本に影響を受けて、考え方を変えさせられました。オススメします。

※あまり上手く魅力が伝えられていない気がするので、もっと文章能力を上げて、改めて記事を書き直す予定です。よろしくお願いいたします。ノビーの魅力は無限大です!

この世で1番大切なものとは?日本一自由だった男、無政府主義者•大杉栄の獄中記を読む

大杉栄の「獄中記」を読んでいます。

彼は、1885年生まれの無政府主義者

この本には、反体制運動を企て、獄中生活を送っていた時の出来事が書かれています。

ぼくは、この本を読んで

日本人にもこんな自由な男がいたのか!!

と感動してしまいました。

身体は拘束されようとも頭の中は自由

大杉栄は、治安維持法違反などで、生涯に渡り何度も投獄されています。

しかし、彼には、投獄生活におけるテーマがありました。

「一犯一語」

投獄される度に、新しい語学をマスター、その力を活かし、アナーキズム関連の本等を読み漁り知識を深めました。

また、独房の前にある檻を、遊郭の飾り窓に見立て看守を誘惑してからかって遊ぶなどの悪戯をして、ストレスを発散、

ロシア紙幣を偽造し大儲けして逮捕された囚人など、面白い才能を持った人物と次々友達になり人脈を広げました。

身体は拘束されようとも、頭の中は常に自由でした。

世に獄中記はたくさんあれども

獄中物で言えば、元ライブドア社長・堀江貴文や、元外務省主任分析官、佐藤優の本も読みました。

 

堀江貴文は、1000冊もの本を読んだり、メールマガジンを発行して、前代未聞・獄中からの情報発信を行いました。

佐藤優は、キリスト教神学に関する資料を読み込み、それまで激務の影響で出来なかった、インプット作業に集中しました。

彼らは、獄中という、

普段ぼくらが暮らしている世界とは比べ物にならないほど不自由な場所

にも関わらず、有意義に生活を送っていました。

その中でも特に大杉栄は、飛び抜けて自由に生きているように感じます。

むしろ、投獄されるのを楽しみにしているのではいか、とすら感じてしまうほどです。


この世で一番大切なものとは?

自分は、牢獄の中ににいるわけでもないのに、どうしてこんなにも不自由なのだろう。

この本を読んで、生活の行き詰まりを強く感じました。

逆に、どうして彼らは、獄中の中でも、そんなにも前向きに生きることができたのだろうか。

そのヒントは、想像力にあるのではないだろうか。

想像力さえあれば、どんな所にいたとしても、自由になれる。

逆に言うと、お金があったって、時間があったって、何があったって、想像力が無ければ何もできない。

想像力がないから、行き詰まりを感じてしまうのではないか。

独房の檻を遊郭の飾り窓に見立てる、あの大杉栄の想像力よ。

想像する力の強さを改めて感じました。

「人生は決して、あらかじめ定められた、 すなわち、ちゃんとできあがった一冊の本ではない。 各人がそこへ一字一字書いていく白紙の本だ。 生きて行くそのことがすなわち人生なのだ。」大杉栄