この世で1番大切なものとは?日本一自由だった男、無政府主義者•大杉栄の獄中記を読む

大杉栄の「獄中記」を読んでいます。

彼は、1885年生まれの無政府主義者

この本には、反体制運動を企て、獄中生活を送っていた時の出来事が書かれています。

ぼくは、この本を読んで

日本人にもこんな自由な男がいたのか!!

と感動してしまいました。

身体は拘束されようとも頭の中は自由

大杉栄は、治安維持法違反などで、生涯に渡り何度も投獄されています。

しかし、彼には、投獄生活におけるテーマがありました。

「一犯一語」

投獄される度に、新しい語学をマスター、その力を活かし、アナーキズム関連の本等を読み漁り知識を深めました。

また、独房の前にある檻を、遊郭の飾り窓に見立て看守を誘惑してからかって遊ぶなどの悪戯をして、ストレスを発散、

ロシア紙幣を偽造し大儲けして逮捕された囚人など、面白い才能を持った人物と次々友達になり人脈を広げました。

身体は拘束されようとも、頭の中は常に自由でした。

世に獄中記はたくさんあれども

獄中物で言えば、元ライブドア社長・堀江貴文や、元外務省主任分析官、佐藤優の本も読みました。

 

堀江貴文は、1000冊もの本を読んだり、メールマガジンを発行して、前代未聞・獄中からの情報発信を行いました。

佐藤優は、キリスト教神学に関する資料を読み込み、それまで激務の影響で出来なかった、インプット作業に集中しました。

彼らは、獄中という、

普段ぼくらが暮らしている世界とは比べ物にならないほど不自由な場所

にも関わらず、有意義に生活を送っていました。

その中でも特に大杉栄は、飛び抜けて自由に生きているように感じます。

むしろ、投獄されるのを楽しみにしているのではいか、とすら感じてしまうほどです。


この世で一番大切なものとは?

自分は、牢獄の中ににいるわけでもないのに、どうしてこんなにも不自由なのだろう。

この本を読んで、生活の行き詰まりを強く感じました。

逆に、どうして彼らは、獄中の中でも、そんなにも前向きに生きることができたのだろうか。

そのヒントは、想像力にあるのではないだろうか。

想像力さえあれば、どんな所にいたとしても、自由になれる。

逆に言うと、お金があったって、時間があったって、何があったって、想像力が無ければ何もできない。

想像力がないから、行き詰まりを感じてしまうのではないか。

独房の檻を遊郭の飾り窓に見立てる、あの大杉栄の想像力よ。

想像する力の強さを改めて感じました。

「人生は決して、あらかじめ定められた、 すなわち、ちゃんとできあがった一冊の本ではない。 各人がそこへ一字一字書いていく白紙の本だ。 生きて行くそのことがすなわち人生なのだ。」大杉栄